「中小の事業承継、悪質なM&A仲介排除へ」
2026年10月9日付、日本経済新聞の記事です。
M&Aと言えば、事業や会社を売却したい会社と購入したい会社をマッチングする仕事を思い浮かぶ人が多いと思いますし、ドラマでは花形職業のように描かれていたりします。
M&A取り扱いランキングのようなものもこのマッチングの件数を指している事が多いです。
弊社にも「会社を売却しませんか」「資本提携しませんか」「会社を購入して事業拡大しませんか」という、よく分からない会社からのメールが頻繁に届きます。本当に財務状況とか事業内容を研究してから連絡をしてきているのですかね?
話は少しそれますが、M&Aや事業承継にあたっては財務諸表などから企業価値を算定します。
経営コンサルティング会社に在籍していた時に問題だと感じたのは、「Post M&A」について考えている会社が少ないという事と、「不動産の価値をきちんと評価できていない」「潜在的なリスクを把握していない」という事でした。
東証プライム上場企業が下請け企業を事業承継する際のセカンドオピニオンを求められた関西の案件では、「借地上の建物に対する手当てはしたか?」「航空写真を見ただけでも建蔽率オーバー」「接道しておらず再建築不可になるが良いか?」「コンプライアンス面で法務部の見解は?」とツッコミどころ満載でした。
もちろん「不動産鑑定評価書」を取得していましたが、金額だけに目がいって小さな文字で書かれている部分を読まなかったり、読んだとしても不動産の専門家ではないので何を意味しているのか=経営にどのような影響を与えるか、リスクがあるか、を理解していなかったようです。
また別の案件では、不動産に不慣れな方が、老朽化した建物の価値算定に対して「現在の賃料は◯◯円だから、収益還元法ではこの不動産はXX億円になるはずだ」と、大規模修繕するための多額の費用支出が目の前に迫っていることを棚に上げて交渉してきた事もありました。
結局、その不動産はXX億円では売れず、M&Aそのものが頓挫しています。交渉してきた弁護士さん、どう責任を取るつもりなのでしょうか?
悪質なM&A仲介会社を排除する事と合わせ、中小企業の虎の子である不動産を(自社ビジネスへの誘導ではなく)中小企業の側に立ってきちんと評価・実行する専門家を育成する事も必要だと思います。

