中期経営計画や財務戦略に基づく不動産戦略策定とは
最良の結果を得るために適切なプレーヤーを選定する
従前、多くの企業は「不動産を売却するぞ」「建物を新築するぞ」という方針が決まったら、メインバンク系や懇意にしている仲介会社やゼネコンに依頼する事が一般的でした。
ところが最近は、より良い結果を生み出すために、例えば不動産を売却する時は、「どの仲介会社に売主側仲介会社になってもらうか」「どの仲介会社に買主側仲介会社になってもらうか」というように各社の特徴を踏まえたプレーヤーの選定やスキームの組成、要項の作成などの工夫をする企業が増えてきました。
個別不動産の最適化
当社にもプレーヤーの選定やスキームの組成、要項の作成に関するご相談が増えていますが、より一歩進めて、個別不動産毎に、「売却した方が良いのか」「賃貸した方が良いのか」「建て替え・修繕をした方が良いのか」といった、考えられる選択肢を列挙し、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で経営判断をしたいというニーズが高まっています。
また「売却」といっても、単純売却が良いのか、収益物件化して売却した方が良いのか、「賃貸」といっても、土地貸しが良いのか、建物貸しが良いのか、というように、さらに各選択肢を細分化して検討・決定したいというニーズも高まっています。
拙書では「8つの選択肢」というキーワードで解説していますので、ご参照ください。
当社の「不動産全体の最適化」は「CRE戦略」ではない
当社は、企業から個別不動産の最適化のご相談を頂いた時は、「不動産全体の最適化」についても説明をさせて頂いています。
多くの企業は不動産を1つだけ保有しているわけではありません。複数の不動産を保有していたり賃借しています。例えば、事業部Aは不動産を売却し、事業部Bは不動産を賃借し続ける状態は、企業全体として見た時に本当に正しい選択をしていると言えるでしょうか。
また、不動産Xは立地が良く売却しやすいが、不動産Yは郊外にあり売却しづらい場合、個別に売却すると不動産Xは売却できるでしょうが、不動産Yは売れ残るかも知れません。この時、不動産Xと不動産Yをセットで売却するという選択肢があれば、売れ残るリスクも低減できるかも知れません。
このような事から、当社では不動産全体の最適化をおすすめしています。
企業から「CRE戦略」「CRE提案」という言葉と何が違うのかという質問を頂きます。
当社が説明している「不動産全体の最適化」は一般的なCRE戦略とは異なります。一番のポイントは、当社は仲介会社やゼネコンではないので、仲介手数料収受のための売却誘導や請負建築受注のための建築誘導になるような提案はしないという事です。
ご相談頂いた企業には、賃貸(土地貸し、建物貸し)という選択肢がある事に大変驚かれます。豊富な人脈があり具体的な選択肢をご提案しますので、机上の空論でないという事もご安心頂いているポイントです。
不動産戦略策定
個別不動産の最適化を実践する時でも、不動産全体の最適化を実践する時にも、財務や経営の視点を持つ事を提案しています。
ご存知の通り、不動産を売却する時に簿価と時価に差額があれば、特別利益や特別損失が生じます。企業は中期経営計画を策定しているかと思いますが、3年後に本業で多くの利益や損失が生じる事が見込まれる時、不動産を売却する時期を今年度ではなく3年後にし、経営を安定化させるという事は考えられないでしょうか。
当社は、大手金融機関での財務・年金・不動産、経営コンサルティング会社でのコンサルティング経験がありますので、中期経営計画や財務戦略に基づく不動産戦略策定についてもお任せください。