日銀利上げが不動産マーケットに与える影響

2024年9月11日、「現在の実質金利が極めて低い水準にあることを踏まえると、先行き日銀の経済、物価の見通しが実現していくとすれば、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えている」と日銀の中川審議委員が発言されました。

2024年7月31日に追加利上げを決めた後、株式市場と為替市場が混乱しました。

それを受けてか、8月7日に日銀内田副総裁が「金融資本市場が不安定な状況で、利上げをすることはありません」と火消しをしました。

今回の発言は、8月14日に岸田首相が自民党総裁選不出馬を表明し、目下自民党の総裁選の真っ最中で政治的な横槍が入らない時期を狙っての発言だと感じました。

利上げの是非はともかく、不動産マーケットには大きな影響があると思います。

利上げがあると投資家の調達金利が上がるので新たな仕組みもの(収益物件)を作ろうとしても成り立たなくなるという意見を多くお聞きしました。

ただそれには、実現の可否はともかく、賃料を上げるか、(建築費が現状のままだとすれば)土地の仕入れ値を下げれば事業収支は成り立ちます。

★ 賃料を上げても借りて貰えるような魅力的な建物を作る事が求められます。

★★ 土地価格の下落が考えられます。

また、投資家の期待利回りも上がるでしょうから、(賃料収入等が現状のままだとすれば)既存の収益物件の価格は下がります。

★★★ 高値での売り抜けを図ろうとする投資家が増えるでしょう。不動産マーケットで繰り返される「ババ抜き」が始まるのでしょうか。

金利の影響も大きいですが、為替の影響の方が大きいと思います。ドル円相場が160円から140円になるだけで、ドルベースで見ると10%以上も価値が下がるのです。現在収益物件を保有している海外投資家の動きの方が気になります。

★★★★ こちらも高値での売り抜けを図ろうとする投資家が増えるでしょう。

先日もコメントを上げましたが、不動産を保有されている会社、購入を検討されている会社だけでなく、借りたり貸したり、有効活用を検討されている会社も今後の不動産戦略を検討される事をお勧めします。

「セカンドオピニオンサービス」を始めています。

個別の不動産に対して仲介会社やゼネコン、ハウスメーカー、デベロッパーから提案を受けたが、会社にとって気を付ける点はないか、リスクはないか等、企業側に立ってアドバイスを差し上げるサービスです。従来の年間顧問契約ではなく、プロジェクト単位でご利用頂けるようになっています。是非ご利用ください。

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